今月の言葉「やさしい心の持主は・・・」
今月の言葉は吉野弘さんの誌「夕焼け」から。
「やさしい心の持主は 他人のつらさを自分のつらさのように 感じるから」
主人公の娘は、満員電車に乗車してきたお年寄りに二度までは席を譲る。しかし次に現れたお年寄りには席を譲らない。でも心のやさしいその娘は、譲ろうかどうしようか迷っているのである。「美しい夕焼けも見ないで。」という最後の一文が印象的な詩です。
この詩の中で、お年寄りに席を譲ろうとしたのは主人公の娘だけ。どうして他の乗客は席を譲ろうとしなかったのだろう・・・。苦しい思いをしているその娘がかわいそうに思えてくるのは私だけでしょうか。「やさしい心の持主は いつでもどこでもわれにもあらず受難者となる」けれど、この娘のように他人を思いやることはとても素晴らしいこと。
世の中お互いに支え合って生きていくことはとても大切ですね。「いつも自分のことで精一杯・・・」とならないように、やさしい心を持ちたいものです。
それは仏さまの慈悲心(抜苦与楽)に通ずるものであります。
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