今月の言葉「おーい、君の家が虹の中にあるぞオ」
今月の言葉は吉野弘さん「虹の足」の一節です。
雨上がり、雲間から注ぎ込む陽の光。
一面に広がる田圃の中に「虹が足を下ろした」。「虹の足の底に小さな村といくつかの家がすっぽり抱かれて染められていたのだ」と続く。
「それなのにそこに住んでいる人は、家から飛び出して虹の足をさわろうとする人影は見えない。」
そこに住んでいる人たちへ、バスの乗客が呼びかける言葉が「今月の言葉」です。
「おーい、君の家が虹の中にあるぞオ」
そして最後はこう結びます。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
吉野さんはこの詩で、「幸せは自分では気づきにくいものなんだ」と教えてくださっているように思います。
本当は今のままで幸福なのに、もっと大きな幸福が手に入ると思っていたら、いつまでたっても心は満たされることはありませんね。
来月には桜も開花し、散策も楽しい時期となりますね。「本当の幸せとは何か?」を考えつつ、日々大切に進んでまいりたいものです。
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