今月の言葉「ただおのれの何をなし・・・」
〈国道沿いの掲示板のことばについて解説しています〉
「ただおのれの何をなし 何をなさざりしを 想うべし」
昨年来の新型コロナウィルス感染症の流行により、思うように行動ができないままあっという間に一年が終わろうとしています。
1日も早く終息することを願っておりますが、それまでは自分なりの楽しみを見つけ、少しでも明るく元気に過ごしたいものですね。
さて、私たちは他人の言動が気になるもので、「あの人は…」と噂話をしたりします。しかもいい話より悪口の方が拡まったりします。インターネットによる誹謗中傷の問題もそのあらわれのひとつといえるでしょう。
お釈迦さまはそんな人間の本性を見抜いていたのでしょう。次のように説いています。
他人(ひと)の邪曲(よこしま)を観るなかれ
他人(ひと)のこれを作(な)し
かれの何を作(な)さざるを
観るなかれ
ただおのれの
何を作(な)し
何を作(な)さざりしを
想うべし
(『法句経』友松圓諦 訳)
今年一年を振り返り、人としてあるべき姿を見据えて自らの心を正し、来るべき令和4年には「なさざりし」ことを「なせる」ように努めてまいりましょう!
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