今月の言葉「心眼でしか観えぬものがある」

私たちは自分の目で見ているもの全てが正しいと思い、見えたものに基づいて行動したり発言したりする。

「自分の考えは正しい」と自信を持つことはもちろん大切であるが、でもどうだろう?もともと人はそれぞれが生まれた時から違う環境に育ち、見たり感じたりすることも当然違うのである。

だからこそぶつかり合うのである。子どもなら「けんか」、それが国どうしの「けんか」なら「戦争」ということになる。いつの時代になっても解決しない問題である。

私たちは生まれつき違うものをもって生まれてきた。そのことを自覚し、今自分の目で見ているものだけで判断すべきではない。

仏さまや菩薩さまの眼は物事をありのままに見ることができるが、人間にはそれができない。なぜなら心が煩悩に覆われていて正しい判断ができないからである。いつも汚れたフィルターを通して物事を見ているに過ぎない。

時には自分の目を疑って、心の眼で物事を見つめ直すことも大切なのではないだろうか?

阿弥陀仏のその偉大なお姿と慈悲の光明は「心眼でなければ見られない」とお釈迦さまはおっしゃっています(『仏説観無量寿経』「第九真身観文」)。

それと同じように心の眼でもって世の中全ての人や物事を、ありのままに見られる努力をしたいものである。

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