今月の言葉「一丈の堀を越えんと思はん人は・・・」

明けましておめでとうございます!

本年もよろしくお願いいたします!

さて、皆さんは「今年はこんな年にするぞ!」という抱負はあるでしょうか? 自ら目標を設定し、それに向けて励むことは素晴らしいことですね。

今月の言葉は宗祖法然上人の「つねに仰せられける御詞」からです。

「一丈の堀を越えんと思はん人は、一丈五尺を越えんとはげむべし」

一丈は約3メートルです。勢いをつけて跳ばないと、途中で足が「じゃぼんっ」と水に浸かってしまうかもしれません。オリンピック選手なら8メートル跳ぶことができるようですが、普通の人なら3メートルの幅でさえもかなりたいへんです。その堀を越えようとするなら、はじめからそれよりもっと幅の広い、一丈五尺(約4.5m)の堀を越えるつもりで励まなければならないという意味です。

法然上人は阿弥陀さまの救いもそれと同じで、中途半端な気持ちでお念仏をとなえるのでは極楽往生は遂げられない。「必ず極楽往生が叶う」と強く信じることの大切さを説いておられるのです。

たとえば野球選手がバットでボールを打つ瞬間を考えてみましょう。スイングを始動してからボールにただ当てるだけでは鋭い打球にはなりません。いくら鋭いスイングであっても遠くへ飛ばすことはできないのです。どうすれば遠くへ飛ばせるかというと、バットにボールを当てた瞬間から、ボールを乗せるようにして打ち返す、つまりフォロースルーが大切なのですね。

必ず打ち返すという鋭いスイングのように、私たちも目標に向かって「強い信念」を持ち、今年一年励んでまいりたいものですね。