今月の言葉「ことばをつつしみ、意(おもい)をととのえ、身に不善(あしき)をなさず」
今月の言葉は『法句経』(友松円諦訳)より
ことばをつつしみ 意(おもい)をととのえ 身に不善をなさず この三つの形式(かたち)によりて おのれをきよむべし かくして大仙(ひじり)の説ける道を得ん
人を罵ったり暴言を吐くのは、たとえネット上であれ決してしてはならいことである。軽はずみな発言であっても、言われた本人は精神的に落ち込み、場合によっては自ら命を絶つ人までいるのである。そもそも人を罵ったりするのは「自分が一番ただしい」と思っているからではないだろうか。
そこで「自分が一番ただしい」と思う心を一度はなれてみなければならない。
仏の智恵の眼(まなこ)のように完璧な心に比べたら、私たち人間の心は何とちっぽけなものだろうか。煩悩におおわれ、正しい判断ができない状態にあるからである。自分がいつも正しいと思うことはただの思い込みにすぎないことがわかる。
人の悪口を言ったり、身勝手な行動をしていたら、自分の心はどんどん暴走し始める。やがては自分の身を滅ぼすことになるのである。
さて、仏教における理想の境地に達するための八つの道、それが八正道である。
(1)正見・・・正しい見解 (2)正思惟・・・正しい思い (3)正語・・・正しいことば (4)正業・・・正しい行為 (5)正命・・・正しい生活 (6)正精進・・・正しい努力 (7)正念・・・正しい気づかい (8)正定・・・正しい精神統一
私たちは本当の幸せを得るために、常にあるべき姿を見つめ、意(おもい)と行動を正していかなければならない。
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