今月の言葉「冬は 土深く育てている たくさんの種子 新しい命」
今月の言葉は大木実(1913~96年)「冬」という詩から選ばせていただきました。
秋の木々の彩りはなくなり、日は短く夜が長くなる冬。
けれども目には見えない土深いところで、大切なものを育てている、というこの詩に生きる力を感じとることできます。
仏教では「全ての生きとし生けるものには仏になる種子を持っている」と考え、その種子を「仏性」といい、大切に育むことの大切さが説かれています。
私たちは自らの中に種子があることに気付き、大切に育もうとする姿勢がなければなりません。そしてつねに真実を見つめ、行いを正す努力を忘れず、決して空しく過ごすことのないようにしたいものですね。
冬 (大木実)
実りの秋の
あとにくる冬
日差しが淡くやわらかく
雨がみぞれや雪に変わるとき
昼が短く
夜が長く
長い夜を燈火の下に
家族がみんな寄りあうとき
ー歳時記のベエジがうすくなる季節
けれど冬は
土深く育てている
たくさんの種子 新しい生命
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