退屈しない心

「あー退屈だなあ」という時はどんな時でしょう?

例えば、おしゃれなカフェできれいな女性と2人きりで話をしていたとします。
目の前の女性から「なんだかあなたの話は退屈だわ!」と言われたら、立ち直れないくらいショックを受けることでしょう。今では「退屈」とは「つまらない」を意味するからです。

しかし仏教では、「退屈」とは目標、目指すべき道から逃げ出すことを意味します。菩薩が覚りの道を何が何でも歩み続けようと固い決意で臨んでみたものの、無限の広がりを持つ仏の世界を前に途方に暮れ、自分には到底成し遂げることができないと思った時、文字どおり「退き屈してしまう」ことになります。もとはこのことを意味します。

だからといって、先ほどの女性に「人の話を最後まで聞けないのは負けを認めて逃げ出すようなものだ!」とえらそうに言ってはいけません。おそらくもっと嫌われるに違いないでしょう。
自分の話がつまらなかったことを素直に認め、もっと興味を持ってもらえるように工夫したいですね。

自らの内面を磨き、決して退屈せず、勇猛不退の決意で臨みたいものです。

※この文章は国道沿いの掲示板「今月のことば」について書いています

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